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4/15(日) 11:00-「はるこん」企画 人工知能×SF:今の時代にこそ語れるビジョンを語ろう

4/15に川崎にて開催されるSFコンベンション「はるこん」にて、SF作家の長谷敏司先生、藤崎慎吾先生、AI研究者の山川宏さん、評論家の宮本道人さんを呼び、「人工知能×SF:今の時代にこそ語れるビジョンを語ろう」というセッションを行います。人工知能(AI)とSFをテーマとし、SFが社会に適用される利点と危険性、AI技術が導く新しいSFテーマなど、現在だからこそ語れるAIとSFの関係性を議論します。

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●セッション概要:

サイエンスフィクション(SF)のもたらす想像力は、今や我々の現代社会の重要な構成要素であり、将来像を駆動させる要因となっている。科学技術から影響を受け、技術のもたらす社会への影響、人々のドラマ、価値観の変容を描く物語形式として登場したSFは、逆に科学技術者にとって、将来的な未来社会を描く上での指針ともなってきた。特に人工知能(AI)研究とSFの関係は大きく、古くはアイザック・アシモフのロボット3原則から、ヴァーナー・ヴィンジのシンギュラリティまで、多様な概念が両領域の相互作用の中で生み出されてきたと言える。SFの影響を公言するAI関係の研究者は、国内外に多い。

一方で、昨今の急速なAI技術の発達によって、AI技術が社会に引き起こす倫理な問題が、様々な場所で現実的な問題として議論されるようになってきた。そのような今だからこそ、古典的なSFのアイディアをそのまま実社会に当てはめることには、慎重にならなければならない。知能の問題、そして社会の問題と向き合うために、技術者はSFに代表される新しいビジョンを必要としている。またSFも、新しい技術から引き起こされる可能性のある、まだ目が向けられていない新しいテーマを見つけることができる。現代だからこそ語れるビジョンがそこにはある。

本セッションでは、特に昨今ブームとなってきた人工知能とSFの関係性にフォーカスし、現在だからこそ語れるAIとSFの新しいイメージを議論したい。鉄腕アトムや攻殻機動隊といった素晴らしい作品を超え、2018年の今だからこそ語れる新しいビジョンを、本セッションで語りたい。

セッションは4人の講演者で構成される。人工知能とその社会影響について、作品を通じて様々な事例を示し続けてきたSF作家の長谷敏司氏、SF小説とノンフィクションライターとして、SFと社会の両側面に関わる問題を描いてきた藤崎慎吾氏、ドワンゴ人工知能研究所所長であり、人工的な脳の再現を試みる全脳アーキテクチャ代表者の山川宏氏、そして神経生理学を専攻しつつ、SFを題材とした幅広い評論を手がけ、社会におけるフィクションの有用性を探っている宮本道人氏である。司会は、筑波大で人工知能の対人インタフェースとなるヒューマンエージェントインタラクションを研究してきた、大澤博隆氏が務める。

●セッション日時

日時:4月15日(日)11:00-12:30
会場:川崎市国際交流センター ホール (〒211-0033 神奈川県川崎市中原区木月祗園町2−2)

 

●講演者

・長谷敏司

1974年、大阪府生まれ。2001年「戦略拠点32098 楽園」にて第6回スニーカー大賞金賞を受賞。『あなたのための物語』が第30回日本SF大賞と第41回星雲賞日本長編部門に、「allo,toi,toi」が第42回星雲賞日本短編部門にノミネートされた。2015年『My Humanity』(3作とも早川書房)にて第35回日本SF大賞受賞。2016年度より日本SF大賞選考委員を務める。日本SF作家クラブ会員。人工知能学会倫理委員会メンバー。代表作『BEATLESS』を初めとした作品群の設定を公開した「アナログハック・オープンリソース」を手がける。

・藤崎慎吾

1962年、東京都生まれ。埼玉大学教養学部卒業、米メリーランド大学大学院海洋・河口部環境科学専攻修士課程修了。科学雑誌の編集者や記者、映像ソフトのプロデューサーなどをするかたわら小説を書き、1999年に『クリスタルサイレンス』(朝日ソノラマ)でデビュー。代表作に『ハイドゥナン』『深海大戦』。日本SF作家クラブ、宇宙作家クラブ会員。2014年、本名(遠藤慎一)で応募した論文形式の小説「「恐怖の谷」から「恍惚の峰」へ ~ その政策的応用」が第一回日経「星新一賞」を受賞。

・山川宏

1965年埼玉県生まれ。専門は人工知能。特に、汎用人工知能、認知アーキテクチャ、概念獲得、ニューロコンピューティング、意見集約技術など。NPO法人全脳アーキテクチャ・イニシアティブ代表。ドワンゴ人工知能研究所所長、人工知能学会編集委員長、人工知能学会倫理委員会メンバー。電気通信大学大学院情報システム学研究科客員教授。玉川大学脳科学研究所 特別研究員。人工知能学会汎用人工知能研究会主査。産総研人工知能研究センター客員研究員。

・宮本道人

1989年東京生まれ。東京大学大学院理学系研究科博士課程在籍。物理学専攻で神経生理学を研究しながら、批評を軸に執筆活動。共著に『東日本大震災後文学論』、『ビジュアル・コミュニケーション』(ともに南雲堂)。「ユリイカ」などに寄稿。「新しい科学文化を作る」をテーマに、オープンサイエンス、映像表現、SFを中心に論じる。その他、マンガ・舞台作品など、異分野への協力にも力を入れている。2017年からは変人類学研究所(学芸大×NPOこども未来研究所×QREATOR AGENT社)主任研究員として、科学研究・大衆文化における「変人」観の歴史的変遷の分析に取り組んでいる。

・司会:大澤博隆

1982年神奈川県生まれ。2009年慶應義塾大学大学院理工学研究科開放環境科学専攻博士課程修了。2013年より現在まで、筑波大学システム情報系助教。ヒューマンエージェントインタラクション、人工知能の研究に従事。共著として「人狼知能:だます・見破る・説得する人工知能」「人とロボットの〈間〉をデザインする」「AIと人類は共存できるか」など。マンガトリガー連載の『アイとアイザワ(作:かっぴー、漫画:うめ)』技術監修。人工知能学会、情報処理学会、日本認知科学会、ACM等会員。博士(工学)。

屁理屈推理合戦「ハロウィンの歌姫」

赤字(真実)と青字(仮説)を使う推理ゲームです。屁理屈推理合戦とも呼ばれています

●ハロウィンの歌姫

街外れの片田舎に娘が住んでいました。娘は、歌を歌うのが趣味でした。
隣街への旅の途中、娘を見かけた劇場の主。村の畑で1人歌を歌うその娘に聞き惚れ
娘と話して街へ連れていきました。
劇場主の思惑通り、毎夜劇場で歌う彼女の歌声に、皆が聞き惚れたといいます。

しかしその影に、歌姫を降ろされた女がいました。彼女は、実は恐ろしい魔女でした。
歌姫に嫉妬した魔女は配下の黒猫を操ると、部屋で練習をする彼女の部屋の扉の前まで行かせました。黒猫は扉を叩いたり引っ掻いたりしますが、扉にはしっかりと鍵がかかっており、開けることができません。

そこで魔女は、黒猫を窓に立たせ、歌姫の様子を見ながら呪文を唱えます。
すると、窓の前にあった大きなカボチャが、窓をすうっと通り抜け、そのまま歌の練習をする
歌姫の後ろに進んでいきます。気配をして振り返った彼女の頭にカボチャがどすん、と当たり、
歌姫はそのまま動かなくなってしまいました。

あくる朝、物音一つしない部屋の様子を不審に思い、劇場主が部屋の鍵を開けると
そこには死体となった歌姫が倒れていました。
部屋の窓の外には、ハロウィンを祀るカボチャが置いてあり、そして、その上には黒猫が
ちょこんと座っておりました。

劇場主は嘆き悲しみ、魔女は喜びました。
新しい歌姫の歌声を聞ける機会は、もう二度とないのです。

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●ルール

魔女の仕業を疑うもの。この事件を魔法以外で説明できると信じるものは、その仮説を『』でくくり、青字として述べることができる。青字で述べた仮説に対し、魔女は仮説を否定する赤字を【】でくくって提示しなければならない。提示できなかったとき、事件は魔法なしでも説明ができることになり、魔女の負けとなる。

例:『扉は施錠されておらず、誰でも入り込んで歌姫を殴り殺すことができた』
【劇場主が確認したとき、扉は施錠されていた】

人間側は、魔女に述べて欲しいことを「」でくくって復唱要求ができる。また、仮説を構成しない質問、疑問を魔女に問うことも可能である。しかしながら、魔女は青字以外に応える義務を負わないため、復唱要求や質問の返答が必ず来るとは限らない。

ただし人間側は、復唱拒否から何らかのきっかけをつかむこともできるだろう。